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生物 / 真核生物 / オピストコンタ |
クリスチディスコイデア綱(Nuclearia, Fonticula) 菌類 (微胞子虫、ツボカビ、ケカビ、酵母、アオカビ、シイタケなど) イクチオスポレア綱 (Ichthyophonus, Amoebidium など) コラロキトリウム綱 (Corallochytrium) フィラステレア綱 (Capsaspora, Ministeria) 襟鞭毛虫 (Monosiga, Codosiga, Salpingoeca など) 後生動物(多細胞動物)(海綿、クラゲ、線虫、ショウジョウバエ、ヒトなど) |
1. ホロマイコータ Holomycota 2. ホロゾア Holozoa 3. フィロゾア Filozoa |
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Refereces |
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多細胞動物(後生動物)と菌類を含む巨大な系統群。その他にも自由遊泳性の襟鞭毛虫、アメーバ状の Nuclearia、胞子虫的なイクチオスポレア類など単細胞性の生物も含まれる。生活様式もさまざまな段階の捕食者であるものから分解者、寄生者があり、また藻類と共生して生産者的な生活様式をとるもの(地衣、サンゴ)もいる。
オピストコンタの最大の特徴は、その名の由来ともなった遊走細胞の形態である。遊走細胞は基本的に細胞後端から生じて後方へ伸びる1本の鞭毛をもっている。ミトコンドリアのクリステは基本的には板状。またアクチンで支持された細長い仮足 ("糸状仮足") をもつものが多い。菌類やヌクレアリア類ではこの仮足は先細で分枝するが、フィロゾア (フィラステレア、襟鞭毛虫、後生動物) では無分枝・非先細であり、テンタクルとよばれる。襟鞭毛虫や海綿動物ではこのテンタクルが襟 (他の後生動物における消化管の微柔毛におそらく相同) を形成して餌粒子捕獲に役立っている。後生動物は生物の中で最も高度な多細胞化を遂げているが、その細胞間接着や細胞間情報伝達に関わるタンパク質の一部は既に Ministeria の段階で存在する。 Corallochytrium (コラロキトリウム綱) はリジン合成AAA経路の酵素(菌類に特有)をもっているという報告があり (Sumathi et al. 2006. Protist 157: 363-376)、その系統的位置については菌類に近縁とする考えもある。原生生物段階にあるオピストコンタを一括してコアノゾアまたはメソミセトゾアとよぶこともあるが、この場合、これら分類群は多系統群となる。 |
上左: アミメネコゼミジンコ (後生動物). 上中: Salpingoeca (襟鞭毛虫). 上右: Nuclearia (クリスチディスコイデア綱). 下左: 担子菌の一種 (菌類). 下中: ニホンザル (後生動物). 上右: カワリミズカビ Allomyces (菌類). |