あなたの腸はお花畑?
私たちの腸内環境は、環境やライフスタイルによって一人一人異なります。近年の研究で、この腸内の棲む細菌が、生活習慣病からアレルギー、精神疾患まで、さまざまな病気に関係していることが明らかになりつつあります。腸内にすてきな環境を作ることは健康の第一歩。エキサイティングな腸内細菌の世界をちょっとのぞいてみましょう。
驚くべき腸内細菌の底力 20世紀初頭、腸内には大腸菌や腸球菌など数種類の細菌しか存在しないと思われていましたが、現在は「分子生物学的手法」つまりDNA解析によって、便に含まれる細菌の種類を細かく識別することができるようになりました。その結果、ヒトの腸内には500〜1000種類、数にすると乾燥糞便1gあたりおよそ1兆個の細菌がいることがわかっています。腸内に存在する細菌の総重量は、一人あたりなんと1〜1.5kgにもなります。
腸内細菌と健康は深く結びついています。うんちに含まれる菌や有害物質、細菌毒素などを調べて、腸内細菌の機能を解明することは、病気予防や老化防止に役立ちます。
大腸がんやアレルギー、肥満とも関係が!?
腸内細菌とかかわりのある病気としては、まず、大腸がんがあげられます。メカニズムの全容はわかっていませんが、高脂肪・高たんぱく質の食事を続けると、腸内環境が変化して悪玉菌が増え、これらが発がん性物質を産出したり、それらをがん化する物質を作ったりして、大腸がんのリスクを高めると考えられています。
さらに、アレルギー、肥満とも深い関係があることも報告されるようになり、いまや腸内細菌は現代医療のトップランナーになっています。
べんの博士: 理研BRC 微生物材料開発室室長 辨野 義己
|