作物研究のモデルデータベース "ABRANA"
SABREは配列情報をもとに、植物遺伝子(cDNA)をシロイヌナズナのゲノム情報で串刺ししており、これを使えば植物遺伝子の機能に関するヒントを得ることができる。しかし、植物では多くの遺伝子がファミリーを形成しており、ファミリー中のどの遺伝子が特定の生理機能に関わるのかを、配列情報だけで特定することは困難である。そこで理研BRCでは、SABREに搭載した個々のcDNAに発現情報を付加することにより、高い精度での機能推定を可能にしたデータベースの開発を進めている。このために生物系特定産業技術研究支援センターからの支援を得て、シロイヌナズナと同じアブラナ科に属するハクサイをモデルとして、ストレス関連遺伝子(cDNA)の単離とこれを用いたストレス応答診断アレイの試作を行った。開発中のデータベース:ABRANA
(Arabidopsis-BRAssica Network Access)では、取得したハクサイのcDNA情報を、SABREの機能を用いてシロイヌナズナ遺伝子との対応付けを行ない、そこにアレイ解析で得られた発現情報を取り込むことにより、ストレス応答に関わるシロイヌナズナとハクサイの遺伝子の対応付けを高い精度で実現する(図2)。そしてこのデータベースは分子育種への利用にとどまらず、診断アレイと組み合わせることにより、ストレス応答に関する品種診断や、植物免疫活性剤の評価など、農学の様々な研究場面に適用可能である。ABRANAは未だ開発途上であるが、cDNAリソースと目的指向型アレイを基盤としたこのような研究手法は、限定された資金とメンバーでも実現可能であり、関心ある方は下記メールアドレスまでコンタクトされたい。
ホームページ:http://www.brc.riken.jp/lab/epd/
事業用メールアドレス:plant@brc.riken.jp
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図2 : ABRANAの画面イメージ
理研BRCが提供する植物リソース
●シロイヌナズナ種子 (トランスポゾンタグライン、アクティベーションタグライン、FOXライン、野生株・近縁種等)
●植物遺伝子 (シロイヌナズナ、ヒメツリガネゴケ、ポプラ、キャッサバの完全長cDNA等)
●植物培養細胞 (シロイヌナズナT87細胞、タバコBY-2細胞、イネOc細胞、ミヤコグサLj細胞等、モデル植物の培養細胞株) |