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Last update:
January 15, 2010
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Mammalian Genetics Laboratory News (MGL-News)

このNewsは、国立遺伝学研究所・系統生物研究センター・哺乳動物遺伝研究室 において開発・維持しているマウス系統に関する情報、およびそれらのマウス 系統を用いた遺伝解析に必要な基礎情報を提供しています。

国立遺伝学研究所におけるマウス系統開発維持事業


  1. 系統維持事業の経緯

    昭和26年に北大理学部より吉田俊秀元細胞遺伝部長によって,ラットおよびマウス約10系統が移され,国立遺伝学研究所におけるネズミの系統保存が始まりました。その後, 外国より輸入した系統や、海外学術調査で採集した野生ネズミが加わり規模が大きくなりました。昭和50年には遺伝実験生物保存研究施設が発足し、近交系マウス・ラット系統およびテラトーマ高発系マウス系統の維持が始まりました。昭和59年に国立遺伝学研究所が国立大学共同利用機関へ移行したのに伴い、遺伝実験生物保存研究センターとして改組され、同時に設置された哺乳動物保存研究室においてこれらの系統維持業務が行われてきました。基準系,突然変異系およびH2コンジェニックマウスの系統維持は、「がん重点・実験動物委員会」の援助も得てこの研究室で続けて行なわれました。また、昭和60年度から系統保存費として「免疫遺伝学研究用マウス系統維持事業費」が認められ、マウスの野生由来系統,野生マウス由来のH2遺伝子複合体を導入したコンジェニック系統および染色体組換系は第1ネズミ飼育舎で維持されてきましたが、これらの系統の一部は帝王切開法および受精卵移植法によりSPF化され、センターのネズミ附属棟に移されました。昭和57年よりマウス受精卵の凍結保存業務を開始し、また、平成8年度から「マウス胚凍結保存事業費」が認められたのを機に、凍結胚によるマウス系統保存事業を本格的に開始しました。  平成9年度には、センター名が系統生物研究センター、研究室名が哺乳動物遺伝研究室に改称されましたが、引き続きマウス系統維持及び分譲事業を行っています。平成9年度に、ネズミ附属棟のマウス系統の一部に肺炎パスツレラ菌の感染が認められたことから、全系統を旧第1ネズミ飼育舎に移し、凍結胚移植による清浄化を行いました。 平成15年度に新たに動物飼育実験棟が完成し、清浄化された全てのマウス系統を新施設に移し、現在に至っております。マウスは、全てSPF環境下で飼育されております。
    マウス微生物グレードについて

  2. 新しい実験用マウス系統の開発事業

    ゲノム配列解読後の生命科学の重要な研究課題は、ゲノム配列と生物機能の関係解明です。そのためには、特定の遺伝子機能に障害を持つ突然変異系統に加えて、進化的時間を経て多数の遺伝子に塩基置換が蓄積し、多様な表現形質を示す生物系統の整備が必要となっています。国立遺伝学研究所では、長年にわたって世界各地から野生マウスの採集と系統育成を行ってきました。これらの系統は、従来の標準的近交系統にみられないユニークな遺伝特性を持っています。哺乳動物遺伝研究室では、ゲノム配列と生物機能の関係を体系的に明らかにするための新世代の生物遺伝資源として、遺伝的に起源の異なった系統の間で特定染色体(ゲノム領域)をシャフッリングした新しい実験系統を開発しています。その代表的なリソースとして、文部科学省・科学技術振興調整費の支援を受けて、標準的近交系統であるC57BL/6Jの遺伝的背景に日本産モロシヌス亜種由来のMSM/Ms系統の各染色体を1本ずつ導入したコンソミック系統を樹立しています。開発した系統について遺伝子発現、蛋白質発現、さらには代謝産物などの基準的な遺伝特性情報と個体レベルでの多面的な表現型情報の収集を開始しています。また、もう一つのリソースとして、表現型を制御する責任遺伝子の探索・同定を目的として、異なったマウス系統間でゲノム上にランダムに染色体組換えを起こしたマウス個体を作製し、それらの精子を凍結保存する「染色体組換え精子バンク」の構築を計画しています。これらのゲノム・シャッフリング系統や凍結精子バンクは、ゲノム配列解読後の網羅的で体系的な遺伝子機能解明のための優れた生物遺伝資源となります。開発した生物遺伝資源は、遺伝特性情報とともに国内外の研究者コミュニティーに広く提供・分与し、生命科学の幅広い分野の発展に寄与していきます。

  3. 維持しているマウス系統の概略


    国立遺伝学研究所で維持しているマウス系統の概略を以下のリストに示します。詳細は、系統リストを参照してください。



    <%--
    交配によって維持している系統 (11) --%>
    交配によって維持している系統 (40)
    系統数
    近交系マウス 
    2
    野生マウス由来の系統 
    9
    B6-ChrNMSMコンソミック系統
    29


    凍結胚として維持している系統 (142)
    系統数
    近交系マウス 
    9
    H−2コンジェニックマウス H−2(B10系)11、 H−2(A系)2、H−2(C3H系)2
    15
    野生マウスのH−2染色体を導入したB10コンジェニック系統
    16
    B10.MOL−H−2コンジェニック系統由来のH−2染色体組換え系 
    41
    その他のコンジェニック系マウス 
    11
    染色体変異を持つ系統 
    5
    突然変異遺伝子を保有している系統 
    17
    野生マウス由来の系統 
    20
    トランスジェニック系統 
    8

  4. マウス系統分譲事業

    哺乳動物遺伝研究室で維持しているマウス系統の内、交配によって維持している系統の種マウスの分譲を行っています。また、凍結胚として維持している系統につきましてご相談ください。分譲を受けることをご希望の場合には、ファクスかメイルで下記にご連絡ください。前もって提供同意書(MTA)の締結をお願いしております。

  5. 研究室スタッフ

    城石俊彦 :マウス系統開発維持事業責任者
    田村 勝 :マウス系統遺伝特性解析担当者
    前野哲輝 :マウス飼育施設管理および遺伝特性解析担当者
    水品洋一 :マウス系統開発・維持担当者
    山本博美 :凍結胚によるマウス系統維持担当者
    岡垣郁香 :凍結胚によるマウス系統維持担当者
    高田京子 :マウス分譲・知財権事務担当者
    岩瀬文子 :マウス多型情報管理担当者


    〒 411−8540
    静岡県三島市谷田1111
    国立遺伝学研究所 哺乳動物遺伝研究室

    fax 055-981-6817
    phone 055-981-6820