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GAIN(大型類人猿情報ネットワーク)とは
GAIN(ゲイン、と発音する)は、「大型類人猿情報ネットワーク」を意味する英文の頭文字です。チンパンジーとゴリラとオランウータンについて、日本国内で飼育されている個体の情報を収集し、データベース化し、一般に開示して、学術研究の推進に供する事業です。GAIN事業は、平成14年度に文部科学省の受託研究事業として、東京大学と京都大学の協力で始まりました。平成21年度からは補助金事業として、国立遺伝学研究所と京都大学(霊長類研究所と野生動物研究センター)が連携して進めています。
人間の本性を理解するうえで大型類人猿の研究は極めて重要です。生物学上も、法令上も、ヒト科は現在4属(ヒト科ヒト属、ヒト科チンパンジー属、ヒト科ゴリラ属、ヒト科オランウータン属)に分類されています。人間を知るには、他のヒト科3属の理解が必須です。一方、彼らは絶滅危惧種です。国際的な商取引は、いわゆるワシントン条約によって禁止されています。したがって、日本にいるチンパンジー、ゴリラ、オランウータンは、種の保存上も学術上もたいへん貴重な存在です。
エイプという英語を日本語では「類人猿」と訳してきました。しかし、彼らには尻尾がありません。人間も尻尾がありません。人間を含めたサルの仲間を「霊長類」といいますが、人間を含めたヒト科4属は「尻尾のない体の大きな霊長類」です。われわれの身近にいるニホンザルは尻尾があります。ヒト科4属は尻尾がありません。チンパンジーとゴリラとオランウータンは、サル(モンキー)ではありません。エイプです。生物学上は、人間こそがエイプの1種だといえるでしょう。「類人猿」という言葉は「サル」という誤解を生むので、最近は「類人」と呼ばれることも多くなりました。
GAIN事業では、平成14年度から6年間をかけて、かれらの暮らす全国58か所の動物園等のすべてを訪問して実地調査をおこない、わが国が保有する大型類人の情報を収集しデータベースとして整備してきました。そうした作業を通じて、動物福祉の立場にたった環境エンリッチメントを推進するための情報交換を促進し、飼育施設と研究者をむすぶネットワークの形成をおこなっています。このデータベースでは、飼育する施設の同意を得たものについて、個体情報の詳細を公開しています。現在、DNA情報や行動情報についても個体ごとの整備をすすめています。今後さらに、個体・家系・群れ・DNA・研究成果などの学術情報データベースを整えるとともに、その国際化をはかっていきます。
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